マンション売却と修繕積立金

01 修繕積立金とは

まず、修繕積立金とは何なのでしょうか? マンション購入時などに、不動産会社から説明を受けていても、詳しいことは覚えていない方も多いと思います。修繕積立金とは、長期間にわたってマンション等を維持・保全していくために必要な修繕(外壁の補修や配管の工事、共有部分の修繕など)を実施するため、管理費とは別に積み立てられるものをいいます。マンションを代表とする区分所有建物では、大規模な修繕を行う場合には、多くの費用がかかります。ですので、各区分所有者からに一度に多額の費用を負担させないように予め、毎月一定額を積み立てています。積立金額は、マンションの分譲会社が「長期修繕計画」に基づいて算出したものになります。また、実際の修繕の実施や積立金の運営・管理は、管理組合又は管理組合から委託された管理会社が行うことになります。

02 修繕積立金は不動産の維持・保全のための修繕費用

コツコツと払い続けてきた修繕積立金ですが、実際にその物件を売却する際には、未来に実施される予定の修繕から恩恵を受けることができません。
それならば、売主は管理組合などに、今まで払い込んだ修繕積立金の返還を請求することができるのではないか? と思われる方が多いのですが、残念ながらマンションの管理規約では「返還しない」としていることが多く、仮にその旨が規定されていなくても、一旦納入された修繕積立金は、以後、「組合財産」として扱われ、解散等に伴う清算前には組合財産の分割を求めることができないとされています。(民法第668条、第676条第2項)。

反対に、物件の買主は今まで積み立てられた修繕積立金の権利も含めて物件を買うことを意味します。マンションの所有権を引き継ぎ、管理組合の構成員になるのです。上記で説明したように、売主には修繕積立金は戻ってきません。ただ、この金額分を物件の売却価格に上乗せして売り出すことはできます。物件の修繕が、間近に実行されるなどの状況があれば、多少金額を上乗せしても、買い手がつく可能性はあります。

03 修繕積立金の滞納にも注意が必要

もし仮に、修繕積立金が滞納されたまま売却してしまうと、管理組合は前所有者が滞納していた管理費や修繕積立金を新しい所有者、すなわち物件の買主に請求することができます。(区分所有法第7条、第8条)ですので、修繕積立金を滞納したまま売却すると、買主に多大な迷惑を掛けてしまうとともに、損害賠償請求やトラブルに発展してしまう場合もあります。売買をされる際には、修繕積立金の滞納にもご注意下さい。

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